仕事ができる人は、お金が稼げない
仕事ができる人は、お金が稼げない。
こんなことを言うと、反感を買うだろう。確かにこれは、本当に言いたいこととは少し違う。
本当は
お金が稼げる人は仕事ができるが、仕事ができる人がお金を稼げるとは限らない
である。
よく分からないか?
僕の話をしよう。僕はここ最近、営業の仕事を始めた。「営業はビシネスの基礎」と、月収1000万プレイヤーに教わったからだ。
元々人と話すのは好きだし、一度やってみたかった。だから派遣会社に登録し、時給1900円の営業の仕事を始めた。未経験にしては、中々の好待遇。
入社すると、まさかの未経験からのチームリーダー任命。マネージャー戸崎さん(仮名)の指示を受け、5名のスタッフと共に戦略を練る代表者だ。(営業もやる)
突然の大役に驚きつつも、研修をこなす。研修最終日の模擬トーク。自分の営業力は、研修6名中2番手。まあまあ良い成績だと思った。
すると最後に、戸崎さんが
「皆の見てたら僕も練習したくなった♪一回相手してよ~!」
と言い出した。メンバーの一人が相手をして、僕は見学していた。
戸崎さんがトークを始めた。
圧倒された
井の中の蛙とはこの事だ。戸崎さんの圧倒的実力を前に、己の未熟さを恥じた。そして何より、自分よりできない人を見て、優越感に浸っていた自分を情けないと思った。
戸崎さんを尊敬した。だが同時に、1つ疑問に思ったことがある。
それは、戸崎さんの年収だ。
勤め人で、人材業界勤務であれば年収はおよそ500万円。少なくもないが、多くもない。
その事実に、僕は驚いた。
今まで、月収1000万を越える人にも会った。時給10万円の人にも会った。その人達と、なんら変わらぬポテンシャルを秘めた人だった。
だが、彼の月収はおよそ40万円ほどなのだ。仕事ができ、頭の回転も早い。時給10万円の人と変わらぬ存在感もある。それなのに、彼の受けとる金銭はとても少ないのだ。
お金が稼げる人は仕事ができるが、仕事ができる人が稼げるとは限らない。
残酷な現実を、胸に強く刻んだ1日だった。