ぼく、まっさん

オッス!まっさんだぞ!

警察に「フリーランスです」と言ったら「ああ無職ね」って言われた話

職業はなんですか?


フリーランスです


は?


この会話は、僕が警察で被害届を出すときに言われた言葉だ。


僕の家は最近まで居候がいた。19歳で、ユーチューバーを一緒にやりたいと言うから同居させてあげてた、Tだ。


Tは未成年で、親がいなかった。しかもパソコンを持ってないから編集ができなかった。さすがに編集を手伝って欲しいので、12回払いのローンでパソコンを買ってあげた。彼が毎月2万円ずつ返済して、一年後には彼のパソコンになるはずだった。


でもTは夜逃げした。合鍵をおいて、パソコンを盗って、家賃を支払う前日にいなくなった。


パソコンを盗られた事より、裏切られた悲しみが強かった。でもそのままにしておくのも良くないなと思い、警察に被害届を出した。


君、職業は?


フリーランスです


は?


動画を編集したり、記事を書いてお金を稼いでいます。


ああ、まあ、無職ね。了解




なにい。




日頃フリーランスに囲まれているから分からないが、田舎は「フリーランス」を知らない人もたくさんいる。自分が過ごす世界は、思ったよりも小さな世界だった。


別に慣れてるから良いが、「職業、無職」と報告毎に言われるのは、意外と辛かった。合計10回ぐらい言われた。



そうか、僕は、無職なのだ。



自分がマイノリティであることを実感し、寂しさと、少しの安心感を抱えてその日を終えた。警察の取り調べは、5時間かかった。


無職の家から、無職がパソコンを奪って脱走した。もし報道されるなら、そう報道されるのだろう。


ちょっとだけ、愉快だった。