離れたくない。君と。
ピピピ!ピピピ!
もう朝か。
クリスマスも近づき、枯れ葉が目立つ季節になった。ハッキリしない意識のまま、鳴り響く目覚ましをまた五分後に設定する。頼まれたから起こすのに、いつも憎まれ役になるこいつに少しだけ同情しつつも、寒いし眠いのは仕方ない。
築年数が50年を越えるこの部屋は、室内で吐いた息が白い位には底冷える。25000で借りた六畳一間。その日暮らしの生活をする僕には、恵まれた住まいだ。
ベッドの上には、僕と君。生まれも育ちも全く違う僕達が、ベッドの上ではひとつになる。二人の境界がなくなって、一つになる瞬間が嬉しくて。毎晩共に過ごす度に、こんな世界に生まれてよかったと心から思う。
私がいないと、ホントにダメなんだから。
君から、そう言われた気がした。そうだな。僕はダメな男だ。君がいないと、夜眠ることさえできないんだから。
ピピピ!ピピピ!
2度目のタイマーが鳴り響く音。流石にそろそろ起きないと、遅刻してしまう。
ドタバタと朝の準備を済ませ、足早に玄関へと向かう。寂しそうな君に
(また今日も、戻ってくるから)
と心の中で告げて、今日もまた会社に向かう。そう、全ては、君との夜のため。
行ってきます。
オフトゥン。